カテゴリ:不動産コラム / 投稿日付:2024/12/19 10:00
キッチンのオプションとして、近年多くの住宅で選ばれているものの一つに
「タッチレス水栓」があります。建築会社によっては、システムキッチンの標準装備として
推奨されることもありますが、取っ手付きの水栓に比べて10万円以上高くなるものもあります。
また、「ビルトイン浄水器」は設置費用だけでなく、使用し続ける限りカートリッジ交換費用が
かかり「ビルトインにしなくてもよかった」と後悔する人もいらっしゃるようです。
⬛︎ 便利な「タッチレス水栓」の落とし穴
タッチレス水栓には、センサーに手をかざして水を出したり止めたりするタイプと
蛇口の下に手やモノをかざすと水が出て、自動で水が止まるタイプがあります。
どちらも調理中に手を洗う時や、両手がふさがっている時などにとても便利です。
2019年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、公共の施設はもちろん、一般の
住宅でも導入されることが多くなりました。手洗い後、取っ手に触れる必要がない、
出しっぱなしがなくなるなど、多くのメリットがあります。節水機能が付いているものは、
蛇口の下にモノがかざされていないときには水が止まるようになっているので、省エネ対策としても有用な設備です。
加えて、コロナ禍で在宅時間が増えて、水道光熱費の節約にも関心が集まっています。
タッチレス水栓が選ばれる理由はそこにもあるのでしょう。
一方で、とても使いづらいという声もあります。
例えば水量や水温を用途によって変えたいと思っても、自動で調節されるわけではありません。
その都度、調整する手間がかかります。特に水量の調節は、「このくらい出てほしい」というちょうど良いところに
設定するのが面倒だという声が多いです。面倒だから不便でもそのままの水量で使ってしまう人も多いようです。
このような商品はどんどん進化しているので、機種が古いものや安価なものを選ぶと、感知が鈍い、
良すぎるなどの使いづらさを感じることがあります。センサーの感知位置によって、水栓の上で料理を渡しただけで
水が出る、子供が使う時にはなかなか出ないなど、使ってみて気づくことはたくさんありますね。
足元で水を出したり止めたりできる、別の意味での「ハンズフリー水栓」もあるので、
機能をしっかり確認して使い勝手が良ものを選びましょう!
⬛︎ ビルトイン浄水器は本当に必要?
現在、水道水のみで生活している人はどれだけいるでしょうか。
以前、内閣府が実施した調査では、「水道水をそのまま飲む」と答えた人の割合は
43.9%でミネラルウォーターや浄水器に頼っている人の方が多いことがわかりました。
ミネラルウォーターを購入している理由の中には「災害時に断水した時から習慣になっている」
という人もいるようです。水道水を飲まなくなった理由の大部分は、
・イヤなニオイがする(カルキくさい) ・後味が悪い ・炊飯や調理に使うとはっきりと差が出る
という内容が多いようです。そのような人たちにとってミネラルウォーターや浄水器は欠かせないものですね。
浄水器については、ビルトインであればシステムキッチンと一体化しているので場所をとりません。
また、水はとても重いので、ミネラルウォーターを購入するたびに運ぶのは大変ですよね。
その手間がなくなることもかなりのメリットです。
一方でビルトイン浄水器から出る水は常温で、冷たい水を飲みたい時には不便です。
容器に入れて冷蔵庫で冷やしたいところですが、塩素が除去されているため、
長期保存できないのです。水道水には消毒のために塩素が含まれており、浄水器でそれを除去すると、
保存期間の目安は1日といわれています。
また、浄水器は長く使わない時間がある場合は、10秒くらい水を流す「捨て水」をしてから
使用するという手間もあります。塩素が取り除かれている水は、頻繁に使用していないと内部で雑菌が
繁殖してしまうんです。カートリッジを定期的に交換する必要もあるので、使用量が少ない場合は
ミネラルウォーターを購入するよりも割高になってしまうかもしれません。
料理などには使用せず、飲み水だけで良い、育児中、一定期間だけ使いたいといった理由なら
ミネラルウォーターやウォーターサーバーでも代用できそうですね。
ビルトイン浄水器は、キッチンで料理を頻繁にする方で、定期的にカートリッジを交換できる方に
おすすめです。キッチンで料理をあまりすることがない、カートリッジを交換するのが面倒、こだわりの
ミネラルウォーターを色々試してみたい人にとっては、ビルトイン浄水器は不便といえるでしょう。
世界の国々を見ると、水道水が飲める国はとても少ないんですよね。
日本の水道水はそのまま飲んでも健康上の問題はなく、ミネラル分が少ない軟水で
飲みやすいと言われています。東京都の水道水のみを使用して日本酒を作っているメーカーもあるほどです。
東京都の水道水は、厚生省が示している「おいしい水の要件」の数値をほぼ上まわっているそうです。
ビルトイン浄水器は、通常の水栓に内蔵されているものと専用水栓を使うものがあります。
カートリッジ交換の費用など、後々のメンテナンスもふまえて後悔のないように慎重に検討しましょう!